配食サービスの利用を検討するなかで耳にする調理法には、それぞれメリット・デメリットがあります。近年HACCPといった言葉もよく聞かれ、特に利用対象が高齢者である介護施設において、食事提供には衛生面での厳しい管理が必要です。
ここでは配食サービス導入を検討する際に知っておきたい知識を、まとめてご紹介します。
配食サービス会社が提供している調理方法には、クックサーブ、クックチル、クックフリーズ、ニュークックチル、真空調理とさまざま。検収・材料保管・下処理までは同じですが、真空調理ではその次の過程である加熱調理前に真空包装してしまいます。
ニュークックチル・クックチル・クックフリーズは、加熱調理後に袋詰めして急速冷却もしくは冷凍。真空調理では加熱後にチルド保存もしくは冷凍保存します。ちなみに、クックサーブは加熱調理したら盛り付けとなります。他は食べるときに再加熱して盛り付け・提供と、調理から配膳までの一連の流れはそれぞれ異なります。
また、作業だけでなく、それぞれの調理方法は料理の向き不向きもありますので、作業工程だけでなく提供する料理に合わせて選ぶ必要があります。
個性的な料理や特徴的な味など、自由度の高さがメリット。ただ、調理する人によって味が違ったり、作業量が多いので人手も多数いること、衛生管理面で注意が必要といったデメリットがあります。
大量調理してチルド保存し、必要な時に必要な量だけ再加熱して提供可能。ただ、急速冷却機器が必要だったり、一部の焼き物や炒め物、揚げ物などには不向きです。
食品によって異なりますが、-18℃以下保存で8週間程度と長い保存が可能なので、食材のロスなども出にくいです。また、配送時の温度管理も楽。ただ、凍結方法によっては、美味しさや食感が損なわれることも。
真空パックにすることで、二次汚染防止が可能。わずかな調味料で食材に味を染み込ませることができ、煮物などの柔らかく仕上げる肉料理に適しています。また、調理スタッフの手に触れることなく調理でき、メニューの幅が広く、短時間で提供できることからも、病院食として導入されることが多いです。
クックチル方式を機能的で安全面を向上させたシステム。調理作業への負担も軽減しています。
平成30年より、高齢者介護施設では「HACCP(ハサップ)」を基本とした衛生管理体制が義務付けられるようになりました。導入には7原則12手順。準備としてHACCPチームの編成や製造工程一覧図の作成・現場確認などをおこない、さらに危害要因の分析や重要管理点の決定、管理基準・モニタリング方法・改善措置・検証方法・記録と保存方法などの設定などの準備・導入する必要があります。
配食サービスを提供している会社では、こうした部分へのサポートもおこなっています。
介護施設での配食サービス利用を検討する際は、調理法の違いによるメリット・デメリットの把握が必要です。中でも重視すべきポイントは衛生面での安全性であり、衛生管理が徹底できている配食サービスは、介護施設側だけでなく、利用者様やその家族にとっての安心感にもつながります。
配食サービスを検討する際は、ぜひここでご紹介した知識をご活用ください。
コストを抑えつつ満足度の高い配食サービスを選ぶには、施設の種類や規模に合った会社を選ぶことが重要です。
ここでは、100床以上の大規模施設、中規模施設、医療施設向けのおすすめ配食サービスをピックアップしてみました。
公式HPにてHACCP基準に対応しており、中国地方での導入事例が記載されている配食サービス会社より、編集チーム内の同一人物が各社の特徴を確認したうえで、施設種類・規模に合ったおすすめを定義しています(2021年5月調査時点)。
【100床~の大規模介護施設向け】ナリコマ...業界最大規模のセントラルキッチンを保有しており、1日30万食以上のクックチル食品を製造可能
【人手不足の中小規模介護施設向け】ほほえみ介護キッチンパートナー...スタッフ1人で30床、2.5人で100床の厨房を回せる「再加熱システム」を提供
【院内調理が必要な医療施設向け】広鉄二葉サービス...オーダーメイドの患者給食に対応し、広島でもっとも長く医療給食を提供してきたという実績を持つ