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新調理システム「真空調理」とは?

 近年一流レストランなどでも取り入れられている調理法として「真空調理」が挙げられます。これはフィルム袋に食材と調味液を真空密封して加熱調理する手法で、低温調理により料理の味や食感、風味を豊かに仕上げられます。
真空調理は従来の食事提供が抱えていた諸問題を解消できる「新調理システム」の一つで、中国地方において2020年6月から義務化されたHACCP(ハサップ)にも対応した、非常に衛生的な調理法でもあります。こういった特徴から、昨今では飲食店だけでなく、病院や介護施設向けの配食サービス会社でも導入されています。

ここではそんな真空調理の特徴やメリットに加え、同じく新調理システムの一つである「クックチル」との違いについてもご説明します。
配食サービスを検討する際、調理法の観点でぜひ参考にしてみてください。

真空調理とは

真空調理はフランスで食肉加工業を営んでいた料理人、ジョルジュ・プラリュ氏がフォアグラのテリーヌを調理するために開発されました。従来の「焼く」「煮る」「蒸す」に次ぐ「第4の調理法」と言われており、1979年と比較的近代に生み出された調理法です。
基本の調理方法は非常にシンプルで、下ごしらえをした食材と調味料をフィルム袋に入れて真空密封し、温度管理しつつ湯せん調理する、というものです。最高でも100℃を超えることはなく、料理によって異なりますがおおよそ60~90℃前後で調理することから「真空低温調理法」とも呼ばれます。
加熱調理後90分以内に3℃以下まで急速冷却もしくは急速凍結する必要がありますが、この工程により細菌の増殖を抑え、食中毒を防止します。冷却保存された料理は湯煎や電子レンジ、「スチームコンベクションオーブン(スチコン)」などの機器で再加熱すれば提供可能です。

調理の簡単さや効率性はもちろん、衛生面の安全性の高さ、味や栄養の劣化が少ない点も評価を得ており、日本国内でも1990年代からホテルやレストランを始め、病院や介護施設への導入事例が急増しています。

調理の流れ

1.下ごしらえ、下準備

食材には生あるいは焼き目をつけるなどの下処理を施し、味付け用の調味液を用意します。

2.真空包装

下ごしらえした食材と調味液をフィルム袋に入れ、真空密閉します。このとき、食材や仕上げ方によって真空度と真空時間を調節します。

3.低温加熱調理

温度管理の出来る調理器を使用し、材料に応じた時間と温度設定をして調理素材に合った温度と時間で加熱調理します。

4.急速冷却

加熱後30分以内に冷却を開始し、90分以内に芯温が3℃以下になるまで急速冷却、もしくは急速凍結します。

5.チルド保存

0~3℃のチルド温度帯で保存します。温度・時間の管理を行えば、ここから安全に1週間程度の保存が可能です。

6.再加熱

料理の提供前に、湯煎や電子レンジ、スチームコンベクションオーブンを使い再加熱します。加熱温度の目安は一次加熱と同じ温度帯です。

7.盛り付け、提供

再加熱後、温かいものは65℃以上、冷たいものは10℃以下で2時間以内に喫食できるよう時間を調整しましょう。

真空調理の特徴

密封効果

真空調理の一番の特徴は、食材と調味料を一緒に真空密閉し加熱するという調理法にあります。食材に含まれる旨味や風味の劣化、栄養の流出を防げますので、栄養価の高い食事が望まれる病院や介護施設では真空調理の導入が急増しています。味や食感、香りを損なわずハイクオリティに料理を仕上げられるため、真空調理は味の面でも非常に高い評価を得ています。
また真空密封のおかげで加熱後に汚染された空気や体が直接食材に触れる機会も少なく、二次汚染の防止や素材の酸化、乾燥を防げるのも大きな特徴です。

低温効果

低温で穏やかに加熱することで、たんぱく質の凝固や水分の流出を防ぎ、ジューシーでやわらかく料理を仕上げられます。その効果は特に牛肉や鶏肉の調理において発揮され、近年では多くのレストランでも低温調理が取り入れられています。

浸透効果

袋を真空密封することで、食材への調味料浸透効果が高まります。瞬時に食材組織の中に調味液がしみ込むため少量の調味料でもしっかり味付けでき、生活習慣病を患っている方など、塩分や糖分を控えたい方におすすめです。

メリット

1.食材ロスの軽減と、品質の安定性向上

計画生産が可能になるため、食材の廃棄ロスを軽減できます。また調理のマニュアル化により、調理スタッフによる品質のバラツキなど、属人的な不安定さを解消できます。

2.味や栄養を損なわないハイクオリティな調理が可能

密封効果により、素材の旨味や風味を損なわず、柔らかくジューシーに料理を仕上げられます。素材の酸化や栄養の流出、ビタミンの破壊が少なく、療養食としてもハイクオリティな調理が実現できます。

3.簡単調理で作業効率アップ

調理が簡単で、加熱しすぎや食材の煮崩れがおこりにくくなります。また必要量をタイマーでセットしておくだけで再加熱できるので、複数の調理を同時進行することもでき、作業の効率化につながります。

4.後片付けの手間が少なく、衛生管理や運搬が容易

調理はフィルムに入った製品をそのまま湯煎するだけですので、鍋の洗浄が不要で後片付けに手間をとられません。また、二次汚染の防止などの衛生管理がしやすく、運搬性にも優れています。

クックチルとの違い

真空調理は新調理システムの一つで、下処理が済んだ食材を調味料と一緒に真空袋に入れて真空包装し、袋のまま湯煎器やスチームコンベクションオーブンで加熱調理し、急速冷却または急速凍結をして提供前に再加熱します。
同じく「新調理システム」の一つに「クックチル」があります。クックチルは通常通り加熱調理した料理を急速冷却して、衛生的にチルド保存しておき、食事を提供するタイミングで再加熱する調理法です。

両社は一度加熱調理したものを急速冷却し提供前に再加熱するという点では同じですが、「食材と調味料を一緒に真空包装し、袋のまま加熱調理する」という点は真空調理ならではの特徴です。そのため真空調理ではクックチルの工程に「袋詰め」「真空包装」という手間が加わります。また食材や調味料を袋詰めする際には衛生手袋を着用し、直接食材に触れないなどの注意が必要です。

また真空調理はその調理特性上、煮物や蒸し物以外の調理に適していません。一方で、クックチルは一部の炒め物や揚げ物など苦手分野はあるものの、基本的にはほとんどの調理に対応可能です。

真空調理とクックチルのどちらか一方を選ぶのではなく、適材適所で組み合わせることで互いのメリットを活かせます。そのため両方の特徴を知り、メニューや目的等にあわせての活用がおすすめです。

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